電子探訪記

モンハン好きのおっさんが残すライフログ、読書・ゲームがメイン

『惑星のさみだれ』最終巻の感想

■『惑星のさみだれ』の第10巻(最終巻)が発売された。その感想。ネットでは概ね好評だったが、自分的にはイマイチだったというのが本当の所。自分が『惑星のさみだれ』を評価していたのは、仲間が死んでしまう点だった。その死の描き方が好きだったのに、今回は誰も死なずに大円団のハッピーエンド。何か拍子抜け。別にハッピーエンドが駄目なわけではないが、何か物足りなかった。胸にグッと来る物がなく、身構えていた自分は「あれっ?」という感じ。仲間との壮絶なバトルを期待していたのに、馴れ合いのバトルしかなかった。もっと身も心も削り合うバトルの末に、決着がつくものだと思ったのに、呆気なくバトル終了。

■犠牲も代償もなく、完全なハッピーエンド。さみだれや夕日の惑星を砕く決意が、非常に安っぽいものになってしまった。そんなに簡単に諦められる決意でしかなかったのか。魔王じゃなかったのか。『惑星のさみだれ』は「魔王と騎士」の物語はずが、普通の「姫と騎士」の物語になってしまった。騎士として身も心も、魔王に捧げたんじゃなかったのか。共に滅ぶことを選んだんじゃなかったのか。自らの手で滅ぼすために、世界を救うという理不尽(矛盾)さが『惑星のさみだれ』の最大の魅力だったのに、最後の最後に普通の物語になってしまった。