電子探訪記

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【艦これ】艦これの世界観・設定についての考察【艦娘への愛は地球を救う】

時代背景

 これが、もっとも不明。第二次世界大戦(太平洋戦争)後であることは間違いないが、戦後何年なのかが不明。部屋の様子から、現代というもよりも、戦後からそれほど経過していない印象を受ける。窓の外の風景も昭和初期という感じがする。恐らく、戦後まだ間もない混乱期というのが、妥当な推測だろうと思う。  だが、この時代設定だが、終戦後何年後という考察してもほとんど意味はないかもしれない。何故なら、艦これの世界は、太平洋戦争終戦直後に、今現在我々が存在している世界とは分岐した別の世界だから、終戦後の米軍の進駐も、その後の朝鮮戦争と米ソ対立と、日本の経済復興という流れを辿らず、全く別の戦後を辿っている可能性が高い。  個人的には、米軍が本格的に進駐する前に時期に、世界線が分岐して、米軍の進駐がなかった道を辿ったのではないかと考えている。つまりは、米軍の本格的な進駐が始まる前に、深海棲艦(しんかいせいかん)の侵略が始まったのではないか。そして、深海棲艦の侵攻によって、世界は分断され、海洋ルートが使えなくなった。海上輸送の手段を失ったーーもしくは限定されてしまった人類は、終戦後の復興に必要な物資を得ることが出来ずに、停滞を余儀無くされてしまう。  太平洋戦争では海上輸送ルートの重要性が改めて認識させられた戦争であり、艦これでも重要なテーマの一つになっているが、終戦直後にそれを封じられたら、どうなるか。当然、戦後の復興期などもなく、その後の高度経済成長もない。恐らく経済は立て直されず、終戦後の混乱状態が恒常化して、科学技術の進歩を大きく制限されてしまう。  その為に、艦これの日本では、高度な科学技術を使った兵器の開発は出来ず、戦時中か、終戦直後の程度の科学技術レベルに基づく兵器しか開発できない。深海棲艦の海上封鎖も続いているので、貿易を封じられた日本は戦時中よりも酷い経済状態に置かれている可能性が高い。それは日本だけに留まらず、米国や欧州諸国なども同じ状況に置かれていると推測できる。  近い内に、海外の艦娘が登場する予定らしいが、こう考えると海外の艦娘が登場することに違和感はない。米国も深海棲艦により、太平洋と大西洋の支配権を失っていると推察される。そして、それは欧州でも同じであり、大戦で廃墟と化した欧州は米国の経済的支援を得ることが出来ず、日本と同じように極度の物不足で苦しみ、復興を果たせずにいる。  終戦直後の経済状態と技術レベルのまま、長い間、全世界が深海棲艦と戦っている世界。それが艦これの世界であり、諸外国も日本と同じように深海棲艦に唯一対抗できる存在である艦娘をサルベージしていると考えれば、日本の艦娘と諸外国の艦娘が共闘するのは別に不自然ではない。  海外の艦娘を入手するには、深海棲艦の封鎖を突破しなければ行けないのも、ごく自然なストーリーになる。当初考えられていたストーリーモードとは、多分そういった内容だろう。

艦娘とは

 艦娘とは、太平洋戦争で沈んだ艦船の魂が顕在化した存在。まさに『蒼き鋼のアルペジオ』のメンタルモデルそのもの。そして、霧の艦隊として描かれているモノが、「艦これ」では深海棲艦に当たる。霧の艦隊=深海棲艦。そして、イオナ(潜水艦イ401)のように霧の艦隊を裏切って人類に味方したモノが、艦娘。深海棲艦=艦娘というのは、誰目にも明らかだし、深海棲艦を倒すことにより、新しい艦娘を得ることができるのが、その証でもある。深海棲艦を倒して、その中に眠っている艦娘を救い出すーーサルベージするというイメージが近いと思う。逆に言えば、闇に堕ちた艦娘が、深海棲艦だとも言える。  そして、闇に堕ちた深海棲艦から、何がどうやって艦娘を救い出すのか。

 "愛"

 いや、冗談ではなく、マジ。"愛"によって、深海棲艦から艦娘は救い出される。これは100%断言できる。この設定だけはガチで間違いはない。艦娘は"愛"によって救い出されるーーサルベージされる。何度も言うけれど、これだけは絶対に間違いはない。  "愛"です。"愛"です。"愛"が艦娘を救う。  そして、"愛"によって、艦娘をサルベージできる、特別な人間が「提督」な訳。だから、艦娘は闇(深海棲艦)から自分を救い出してくれた提督を愛して尽くす。仄暗い海の底に沈んだ孤独な彷徨える魂となった自分を"愛"によって救い上げてくれた人。それが提督ーーつまりプレイヤー。自分を"愛"によって救ってくれた人。乙女なら恋に落ちて当然。陳腐で安直だと言われようが、これだけは絶対的な真実。  彼女たちにとって、深海棲艦と戦うということは、自分と同じような深海に沈んでしまった他の艦娘たちの魂を救い出すことであり、だから積極的に戦いに赴くし、それを厭わない。  ただ艦娘だけで戦っても、深海棲艦からサルベージすることはできない。飽くまでサルベージすることができるのは提督に限られる。なので、第2艦隊や第3艦隊が遠征をしても、艦娘を持ち帰ることはない。しかし、魂の元になる素材を持ち帰ることはきる。魂の素材=開発資材であり、提督の特殊能力(愛)によって工廠でサルベージするのが、開発建造と考えれば矛盾はしないと思う。  似たような事柄で、同じ艦娘が何度も出現する理由付けとして自然なのは、艦娘の記憶=DNAに似たような何か、というもの。DNAを複製すれば、人間でも姿形が同じなクローンが生まれるのと同じように、艦娘も同じDNAも持っているだけで、それぞれの艦娘は唯一無二の存在だということ。人間のDNAをコピーしてクローン人間を作っても死んだ人間が生き返ったことにならないと同じようように、轟沈させてしまった艦娘は二度とは戻って来ない。再び、同じ艦娘が現れても、それは姿形(DNA)が同じなだけに過ぎない。その辺は、EVAの綾波レイを思い起こせばしっくり行くと思う。

 艦娘が提督を愛してくれるのは、提督が自分たち(艦娘)を愛してくれているから。

 全国100万人の提督たちは、それを忘れないでいて欲しい。海域を開放(クリア)することは重要なことかもしれない。だけど、それは"愛"で救った艦娘を犠牲にしてまでも果たすべきことなのか?進撃を命じる前に今一度そのことを考えてみて欲しい。

深海棲艦(しんかいせいかん)とは

 艦これの世界の根幹をなすものだが、全てが謎。深海棲艦=艦娘であり、本質的には同一のものであることは間違いないが、じゃあそれが一体何なのかというと、情報が少な過ぎて上手くイメージできない。『ストライクウィッチーズ』のネルロイや 『蒼き鋼のアルペジオ』の霧の艦隊に似た存在なのだろうけれど、それがどんな切っ掛けで、どのような仕組みから発生したモノなのか。

 この動画を見ると、艦娘と深海棲艦が完全な相似形を成しているのが分かる。そして、完全な悪ではなく、悲しい存在であることが伺える。大戦中に沈んだ艦船の彷徨える魂が、深海棲艦になったのは間違いないが、やはりそれがどうしてそうなったのかという肝心な点になると行き詰まってしまう。

相思相愛の艦娘の提督の行方

 艦これプレイヤーであれば、誰でも知っていると言い程の有名動画だが、この動画に上で考察した時代背景を加味して、後日談を考える。エピローグでの長門の意味深なセリフから、以下のようなシーンもあり得るのではないかと思ってしまう。

========== ShortStory ========

 呉鎮守府に帰還した青年提督に待っていたのは、過酷な尋問だった。その尋問の会話の中で、自分の命令違反のせいで、大規模な輸送船団が深海棲艦に襲われて、大打撃を受けたこと知った。膨大な量の資源と燃料が海の藻屑となり、二千名以上の船員の命が失われる結果となった。 「君の命令違反の結果だ。二千人だ。二千。君の勝手な行為により、二千もの貴重な人命が失われたんだ」 「申し訳ありません」 「申し訳ありませんだ?君は今回の件で亡くなった船員の家族の前で、それが言えるのか?申し訳ありませんの一言で赦されると思っているのか?」  尋問官は、取調室の机を書類ケースで叩きながら、声を荒げる。 「しかし、あそこで艦隊を反転させていないければ、彼女はーー金剛は間違いなく、撃沈されていました」 「君は自分の判断が正しかったと言うのか!!二千人もの人命よりも戦艦一隻の方が大切だと言うのか!!」 「……」 「それに今回失われた貴重な燃料と資源の為に、数十万、数百万の国民が塗炭の苦しみを味わうことになるんだぞ。餓死者が何万人も出るかもしれない。それでも君は自分の判断が間違っていなかったのと言えるのか!!」 「……もう一度同じような選択を迫られたら、僕は今回と同じ選択をするでしょう。そういう意味で言えば、今回の命令違反は僕にとっては間違った選択ではありませんでした。例えそれで失われる命の数が何万何十万人に増えても変わりません」 「貴様、ふざけるな!!」  尋問官は激怒して、青年提督を殴り飛ばす。 「君、暴力はいかんよ。暴力は」  感情に任せて、倒れた青年提督に殴り掛かろうとしていた尋問官を、初老の男が制止する。 「しかし、長官。こいつは……」 「君、私は止めろと言ったんだ。ーー大丈夫かね」  初老の男ーー艦隊司令長官は尋問官を一喝すると、倒れたままの青年提督を助け起こし、再び椅子に座らせる。 「ありがとうございます」  青年提督は小さく頭を下げる。 「君が彼女たちを深く愛しているのは知っている。だが、なぜそこまで入れ込むのかね。こうは言ってはなんだが、彼女たちは所詮はフネに過ぎない。人間ではない」  その質問に青年提督は、遠くを眺めるような目をして、少し沈黙した後に答える。 「先の大戦で、僕は大和に乗り込んでいました。そして、僕は大和がーー彼女が沈んで行く間際を目撃しました。その時、彼女は怯えて、泣いてましてしました。『沈みたくなく。怖い、怖い。誰か助けて。沈みたくない』とまるで幼子のように泣き叫んでいました。彼女は必死に訴えていました。深く暗い海の底になんて沈みたくないと。僕にははっきり聞こえたのです。彼女の声が、悲痛な叫びが」  青年提督は背筋を伸ばし、真っ直ぐ正面を向いて、まるで誰かに向かって宣言するように言う。 「その時に誓ったんです。どんな形であろうと、この戦争で沈んで行った彼女たちの魂を救うと。そして、二度と彼女たちを見捨てたりしないと」 「その為に、数千、何万人の命が失われることになってもか……」 「はい」  青年提督は決然と胸を張って答える。 「ただ、軍命に背いて数千の人命を失った責めは負います。銃殺でも甘んじて受けるつもりです。ですが、もう一度同じような選択を迫られたら、僕は今回と同じ選択をするでしょう」 「それが彼女たちを使い捨てにしてしまった、君なりの彼女たちに対する償いか?」  その問い掛けに、無言で青年提督は柔らかく微笑む。

=========== End ================

結論

 結局、何が一番言いたかったというと、艦娘を救うのは"愛"だよ"愛"。 そして、艦娘が幸せになれば、地球も平和になるというお話。