電子探訪記

モンハン好きのおっさんが残すライフログ、読書・ゲームがメイン

【読書感想】俺ガイル12巻を読了したが、大満足【ネタバレ無し】

ようやく読むことができた。何回か延期されていたので、執筆が捗っていないのが推測されていたが、待たされただけはある。

まだ読んでいない人は、ネタバレなどに接する前に、まっさらな状態でさっさと読むべし。

10巻前後から上滑りしてしまっていた感じがするようになっていたが、7巻辺りの文体が戻ってきていた。おちゃらけているが、どこか胸を締め付けらる渡航節が完全に復活している。

正直あまり期待していなかったが、逆に良い方に裏切られた。それも圧倒的に。読んでいる最中から、「ああ、もう少しで読み終わってしまう。もっともっとこの世界に浸っていたい」という気持ちと、早く最後まで読み切ってしまいたいという相反する気持ちに苛まれた。

この感覚に襲われるのは、凄く久しぶりだった。

シリーズ最高傑作だと思う。どういう結末を迎えるのか分からないが、エンディングに向けて物語りが静かに展開していく様は見事というしかない。

前巻までアニメ化が悪い方向に出ていたが、その影響から完全に抜け切って、元々の俺ガイルに回帰している。

前巻の11巻から2年以上待たされたが、その2年間は全然無駄ではなかった。おそらくは何度も何度も何度も書き直したのだろう。推敲の痕跡が窺われる。

多分、3、4回くらい一から書き直したっぽい。半年くらいかけて書き上げるが、納得できずにそれを捨てて、また一から半年くらいかけて書き上げる。だが、それも満足できずに捨てて、また最初から書き直す。それを繰り返したようだった。

なので、この12巻は3〜4巻ぐらいの密度がある。まさに渾身の1冊。俺ガイルの原作好きなら、期待して読むべし。最高質の濃密な渡航節を堪能できること請け合い。