アニメ化されており、アニメの出来が凄く良かったので、小説版の方も読んでみたくなったので、買って読んだ。
アニメ版のエピソードが結構濃密だったので、分量が多いのかと思ったら、文庫本で300ページ弱だったので、思いの外、薄かった。
本屋大賞になっているだけあって、文章も読みやすく、アニメを視聴済みだったこともあり、登場人物が明確にイメージできて、非常に楽しめた。
ただ、小説の分量がアニメを1クール分構成するには、かなり少なかったので、アニメの方は結構エピソードを膨らませあったのだなぁと分かったが、それを不自然に感じさせなかったので、アニメの脚本がかなり優秀だった。
小説の方だと、主人公の馬締の他に、西岡の方の心情描写も多かったし、サブ主人公的な扱いだったのが、意外だった。
アニメ版だと分からなかったが、西岡が馬締に対して明確に嫉妬心を抱いている様が描かれており、これも意外だった。
個人的には、アニメ版で描かれていない辞書編纂についてのエピソードが読めるかと思っていたが、それがほとんどなかった点が残念だったが、ライトノベルに近い文体で読みやすいので、興味がある人は読んでみると良いかもしれない。
巻末に、馬締が書いたラブレターの全文があるので、それも面白かった。
ただ、アニメの出来映えが神懸かっていたので、それに比較してしまうと、見劣りしてしまう印象。
原作を先に読んでいたら、印象は変わっていたのかかもしれないが、自分は先にアニメの方を観てしまっていたので、どうしてもその印象を拭うことができなかったことが、少しだけ残念だった。