東名高速でのバスの事故で、ニュースになっているが、この記事のコメントで、シートベルト着用を徹底することを、「当り前じゃん」とコメントしている人がいるが、この当り前のことを当り前にやるのは非常に難しい。
シートベルトを着用して下さいとお願いしても、「うるせぇなぁ、いいじゃねぇかよ」と文句を乗客は一定数必ずいる。その結果、大抵の会社は、マイクで録音でシートベルトを着用して下さいとアナウンスを流してしまうだけで済ましてしまう方法を取る。なぜなら、それが一番楽だからだ。自分がバスの添乗員であれば、そうする。
だが、このバス会社はそういったおざなりの対応をせず、シートベルト着用を本当の意味で徹底した。何度も何度もお客に「細かいこと言うなよ」とか「うるせぇ」とか小言を言われたはずだ。それなのに、シートベルト着用の徹底を続けたのだ。
バス側に怪我人が出たが、死亡者が出なかったのは、明らかにこのバス会社の安全に対する努力があったからだ。
別に運転手をヒーロー扱いする必要はないが、サイドブレーキを引いて、転倒を防止したのは評価されるべきだし、フレーム強化したバスを使っていたことも評価するべき。
バスを作ったメーカの方を褒めるべきというコメントがあったが、そういったバスを購入して使っていたことも評価されるべき。中古の使い古したバスなどと違い、それ相応の値段がするはずで、そのお金を惜しまなかった点はこのバス会社の功績。
CE(カスタマーエンジニア)であれば、作業ミスは誰でも経験することだし、自分も取りまとめ的なこともしている関係上、自分の配下ではない違う拠点のCEが起こした作業ミスも顧客に報告してよくお詫びしているが、顧客に言われることは「なぜ当り前のことができていないんですか?」ということだ。
確認漏れ、思い込み、手順不遵守。作業ミスした本人に聞くと理由は色々とあるが、結局は「当り前のことが当り前にできていない」ということに尽きる。
なので、このバス会社はきちんと評価されるべき。英雄視する必要はないが、ぜひ「当り前のことを当り前にやること」がいかに大変なことか理解してくれる人が増えてくれれば嬉しいです。
東名バス事故、ドライブレコーダーが直後に公開された理由 社長が語る「安全性への投資」とは
続報が出たけど、バス会社はどこも経営が厳しい中でこれだけのことをしているのは凄いと思う。