まぁ、タイトル以上のことはないです。
少し前からネットで徐々に話題になっていたので気にはなっていたが、試しに1巻を読んでみたら、思いの外に面白かったので、一気に全巻購入してしまった。
- 作者: 桑原太矩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/11/07
- メディア: Kindle版
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龍(おろち)と呼ばれる空飛ぶ鯨のような生き物を狩る空船に乗る乗員たちの生活を描いている漫画。
漫画版のナウシカに雰囲気が似ているとか言われているが、個人的には良い感じに雰囲気を似せており、嫌味な印象はない。
自分は最初は漫画版ナウシカの大ファンなので、それを真似た漫画なんだろうなぁと思って、避けていたが、第1巻が格安セールしていたので、試しに読んでみたら、予想外に自分の好みだったので、2巻、3巻と次々に購入してしまい、その日の内に最新巻まで全部読み切ってしまった。
確かに、ぱっと見は宮崎駿の漫画版ナウシカに似ているが、猿真似ではなく、きっちりと作者の中で消化してあり、似てはいるが完全にオリジナリティのある画になっている。
1巻はまだ画が安定していなかったが、2巻目の中盤以降は画力が向上していて、特に女性キャラクターの繊細さが顕著に上手くなっている。
世界観はありきたりだが、そのありきたりな設定を卒なく描いている。物凄く意外性がある物語りでも展開もないが、安定したクオリティで破綻なく描き切っている点は凄いと思う。
超絶に続きが気になるという訳ではないが、続巻が出たら必ず買おうと思わせる期待を裏切らない安定感があり、ある種、森薫の「乙嫁語り」に通じるものがある。
ただ、この先どうなるのかと言ったようなワクワクはないので、雰囲気を楽しむ漫画だと言えるので、人によっては合う合わないが出てくるかもしれないが、自分には合っていた。
読み始めると、何となく止めらないという不思議な雰囲気と魅力がある漫画。多分、爆発的に売れるような作品ではないが、上質なファンタジーであるので、そういった雰囲気が好きな人がまったりと落ち着いて読むのに向いている漫画だと思う。
気になる人は、時折、Kindleで第1巻がセールしているので、そのタイミングで読んでみることをお勧めする。