電子探訪記

モンハン好きのおっさんが残すライフログ、読書・ゲームがメイン

高田大介『まほり』を読了したので、感想を少し

『図書館の魔女』の高田大介の新刊だが、今回は民俗学を題材にしたミステリー。

ミステリーといっても殺人事件ではなく、群馬県限界集落の村にある奇妙な風習にまつわる謎を追っていくというストーリー。

大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村に出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織とともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ……。代々伝わる、恐るべき因習とは? そして「まほり」の意味とは? 『図書館の魔女』の著者が放つ、初の長篇民俗学ミステリ!

「二重丸」は本の装丁のデザインにもなっている。最初、本の帯の方に気を取られていて、装丁のデザインがこの二重丸(蛇の目紋)を表しているということに気付かなかった。

民俗学言語学、都市伝説、郷土史、江戸時代の風習、古文書、神社、天領とかのキーワードが好きな人には、かなりお勧め。多分、京極夏彦が好きな人は、ハマると思う。分厚いし。
万人向けではないので、そんなに売れないだろうなぁと思うが、書痴には絶対に受ける。なので、結構重版されるのではないかなぁと思う。

唯一残念なのは、もう2ヶ月早く刊行されていれば、本と中の季節感がマッチして、より一層臨場感が味わえたかもしれないという点だけ。

定価2310円(税込)と結構お高いが、自分としては非常に満足だった。